EVとエネルギー

次の充電スポットは、使用済み核燃料の再処理工場を見下ろす六ヶ所村の高台にあった。

【六ケ所原燃PRセンター】

前地点からの走行距離:46km 旅の総走行距離:1418.7km

原燃PRセンターには、前日電話して取材のアポイントを入れておいた。でも、今日も朝からいろんな場所で写真を撮ったり話が弾んだりしたせいで時間が押し気味。むつ市まさかりプラザから六ヶ所村へ。陸奥湾を望みつつ走る道を急いだ。

原燃PRセンターは、六ヶ所村に建設された使用済み核燃料の再処理工場の仕組みなどを、わかりやすく説明するための施設だ。

充電中にも、どこかの企業の「内定者研修会」と表示された大型バスが乗り付けたりして、平日にもかかわらず、結構な人が訪れていた。

この旅のブログで、原発に関する私見を滔々と述べるのは控えておこう。

ただ、私の立ち位置を明らかにするために、ざっくり言うと。

●原発の新規建設はせずに再生可能エネルギーの開発と活用に注力すべき。
●再処理もせず、使用済み核燃料や廃棄物の処分場所を決める努力を進めるべき。
●賢明に脱原発を進めるためにも、運用開始後40年未満の原発は再稼働してソフトランディングを目指すべき。

と思っている。

いろんな突っ込み気分を抱く人が多いだろうが、それなりに取材や勉強した上で、私はそう思うのだから仕方ない。

そして。

EVのことにしろ、世の中の多くの事柄は、「私はこう思う」が折り重なってできている。

ま。

私には世の中の仕組みに影響を及ぼす力はないけれど(笑)。

私が感じているEVの魅力のひとつに、石油を燃やして走るエンジン車に乗っている時は気付けなかったことに思い至り、いろいろと考えさせてくれる「バランス装置」のような力、がある。

スムーズで賢明な「合意」を作っていくためにも、バランスはとても大切だろう。

六ヶ所村は、核開発のメッカといった印象がある。

でも、それだけじゃない。

村内だけで77基の風力発電機が、今日も、かなりの風が吹いていたから、ぐるぐると回っていた。

風車の林の中に、石油備蓄基地もある。

六ヶ所村は資源エネルギー庁が進める「次世代エネルギーパーク」だ。次世代エネルギーパークは全国各地にあるが、おそらく、自然エネルギーから原子力まで、幅広い、大規模な施設を目の当たりにできる日本一のエリアが、六ヶ所村次世代エネルギーパークだと思う。

もう、十年以上前になるだろうか。
私は初めて下北半島を訪れた時、その広漠とした風景を眺めつつ「ああ、なるほど、ここは日本のボイラー室なんだ」と感じた記憶がある。

ビルなどのボイラー室は、たいてい、北側の日陰にあったりする。

日本の電力、エネルギーはどうあるべきなんだろう。
なぜ、EVを活用するべきなんだろう。

そんなことを考えるためにも、機会があれば、ぜひ下北半島を訪ねてみることをおすすめする。


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