通りすがりの、出会い。

函館で充電して大間に渡ってきたので、電池はまだまだ元気いっぱい。朝の充電は抜いて、大間から、最寄りの急速充電器があるむつ市を目指す。

はまなすラインと呼ばれる太平洋を望む海沿いの道。

ふと、目にした風景が気になってクルマを止めた。こんな時のため、追走するサポートカーの水嶋くんには「車間距離は広めにとってね」と言ってある。

大間町に隣接した、風間浦村の蛇浦という集落。石ころが敷き詰められた浜で、地元の人たちが昆布を天日干ししていたのだ。

紫とピンクが混じった割烹着、、というか上っ張り? を着て、白い手ぬぐいで頬被りをしたおばちゃん2人が、自転車を押して浜の道を歩いていた。これは絵になる、と思ったが、声をかけると「日本一周してるのか。気をつけてな」とは言ってくれたが、写真は「恥ずかしいからだめだ」とNG。

しょうがない。

先を急ごう、と走りかけたら、浜と併走する道のすぐ脇で、昆布を干しているご夫婦の姿があった。

お、これもいいじゃん。

声をかけると、見慣れぬクルマに快く歩み寄ってきてくれたのは、地元漁師の大野富士雄さん。あんこうの刺し網漁などをするかたわら、この時期は、浜に寄った昆布を拾うのも、それなりの水揚げになるという。

風間浦あんこう。

不勉強なことに私は知らなかったけど、かなり有名な旬の名物ということだ。

半島にひしめくエネルギー関連施設に対する下北の漁師さんの思いについて、立ち話をした。

ちょっと、旅の主旨から外れるので割愛するが。。

大野さんの息子さんは、ちょうど今、国体で自転車の青森県代表選手として、東京へ行っているという。むむ、数年後にはプロの競輪選手? と伺うと、今、競輪選手になるための試験は募集人員が減っていて「なかなか難しいんだ」という。

当然のことだけど、毎日毎日、人それぞれに、それぞれの場所で、舞台で、挑戦や冒険を繰り返している。

はまなすラインの道沿いで、集落にさしかかるたびに現れる「交通監視所」というのが気になった。

これまた急停止して、小屋の中にいたおねえさんに運転席に座ったまま失礼して声をかける。

大間の原発工事でこの道を走る、大型トラックのマナーを監視するための施設で、監視役は地元の方がやっているという。

根は深い。


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