CATS EVシルビア

レポート/廣瀬 浩明(千葉県自動車大学校・千葉県)

DATA
ベース車:日産S13シルビア
完成日/製作期間:2014年9月/継続中
ナンバー取得日:ー
総費用:600万円越え

レポート

17年目のEVフェスティバル

今年度のEVフェスティバルは、走行する機会がないということで残念でした。しかしながら、平成16年からの連続出場を途切れさせたくなく、今回は展示という形で参加させて貰きました。

EVシルビアはEV授業のひとつとして学生がコンバートを行っており、そこで製作された車両の1台です。ERKやEV86といった車両とともに、チームで毎年、リメイクを行っています。EVシルビアは、DCモーターからブラシレスモーター、鉛120V(10.8kw)からリチウム370V(50kw)へと進化してきました。

平成14年から製作を始め、平成16年に完成、学生たちと手探りで始めたコンバート1号のEVシルビアは、EVフェスティバルで走るのがやっとでした。フェスティバルまでに製作が間に合わず、何度かEV86のみでの参加がありましたが、毎年、何らかのリメイクは行われていました。リメイクの効果が出ず、その後のフェスティバルでも度重なるトラブルが発生しました。そのほとんどが製作時のクオリティの低さや品質管理不足でした。

その後、蓄積したノウハウをもとにバージョンアップされたシルビアは、ついにコンバートEV1時間ディスタンスチャレンジ優勝とファステストラップ樹立を達成できました。また、もともとの目標は「製作に携わった学生全員が楽しく速く乗れる車」だったので、「いっぱい乗せたで賞」を2回頂戴できたことは、壊れなくて速く走れる車両になった証拠だと思います。

今後も、学生たちの教材としてや子供たちが車に興味を持ってもらうきっかけ作りに役立てることはもちろんのこと、速く走る機会をシルビアに与えたいと思っています。日本EVフェスティバルでの走行イベントに期待します。

日常の使い方
・使用目的:実習車両及び競技車両、普及活動。

・使用頻度:実習車として2か月 競技数回、展示数回。

・充電器と充電方法、トラブル、充電に際しての注意点:elcon TCCH-H417-11
AC200V BMS故障につき各セル電圧管理にて充電。

自慢話
平成28年、全日本EV50kmレースにおいて、茂木、富士連続で日産リーフを破り、総合4位。その年の日本EVフェスティバルにおいて、コンバートEV1時間ディスタンスチャレンジでファステストラップおよび総合優勝を飾る。

失敗談
EVフェスティバルで起動せずスタート失敗。赤旗中断のきっかけを作ってしまった。翌年も車両紹介ボードをフロントガラスに置いたままスタート。オレンジボールを受けピットイン。2年連続で不運に見舞われた。

ナンバー取得について
平成21年2月 予備検査合格(DCモーター、鉛バッテリー)‥ナンバー未取得。
運輸支局に持ち込んだ時、学生たちが作ったEVだということで、職権打刻をする頃には検査官がいっぱい集まってきた。

車両データ(PDF)

作業場風景。

コンパクトなモーターとT/M。

2016年日本EVフェスティバル表彰台。

シルビアサイド(走行動画)

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