2021年冬の一考察。高度化EVと原点に戻ってのEVコンバート

松本支部/岡部 匡伸

松本支部は冬休みです。ま、このところあまりやることがなくて活動らしい活動もないのですが・・・。たまに飲んだり食べたりというのもこのご時世で自粛していますので本当に開店休業です。今年は当支部のEV、シトロエン2CVをコンバートした「2EV1号車」の車検を取ってから25年に当たります。この時の改造車検については松本支部のホームページhttp://www.asahi-net.or.jp/~mr5t-okb/sinsei.htmlに今でも紹介していますが、この頃はEVの詳細な保安基準が決まっていなかったために、陸運局の担当官の方も暗中模索という感じで、最小限の要求事項で許可が下りました。結局ベニヤ板で作ったバッテリーケースを室内にボルトで固定しただけで車検を通ったのですから、まさに創世記の伝説かもしれません。

その後コンバートEVから遠ざかっていたので勉強していなかったのですが、調べてみると、2012年に電気自動車普及協会から「コンバージョンEVのガイドライン」https://www.apev.jp/guide/が出されていました。当時、某社が郵便配達車として大量にコンバートEVを納入することになりました。アマチュアが趣味で作って自分で使う車の改造申請がたまに来るくらいならともかく、大量に販売して全国で不特定多数が使うとなると、適当にというわけにはいかず、業界団体ができてガイドラインが作られるということになったのでしょう。結局この時は日本郵便が契約を解除して某社は経営破綻、最終的に日本郵便は2019年にミニキャブMIEVを導入、ということになりましたが、技術基準ができるという「成果」は残したようですね。

さて、このガイドライン、基本的に常識的な内容ですが事業化を前提としているだけあってリチウムイオン電池が実用化された今、アマチュアが対応するにはかなり手ごわいものです。手作りには厳しい時代になったと思います。昔、パソコンも部品を集めて一から作ったものですが、技術が高度化、標準化してくると、自作と言っても出来合いのユニットをつなぎ合わせるだけのものになりました。リチウムイオンの充電制御をアマチュアが作るのは無理ですから、高度化したEVも同じことになりそうです。

システム開発ができるようなハイアマチュアやセミプロの方はともかく、一般のEVファンはここで原点に帰って、EVを学ぶという意味で、鉛電池を使ったコンバートEVやERKにもう一度取り組むのはいかがでしょうか。実用性はもちろん考えません。48Vくらいの電圧なら車検のハードルも低そうですし、10万円くらいのバッテリー代で、時速30キロで10キロくらい走れるものができそうです。多少無理が効く鉛電池なら充電器を自作していろいろ試すこともできます。会員が眠らせているパーツやEVも日の目を見るかも。
冬休みのステイホーム。おコタにあたりながらこんなことを考えました。

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