EV一年生の中年ドライバー登場

和田 茂(東京都)

2017年12月に10年目の車検を迎える軽自動車に乗っていましたが、「今度の車は最後の車だ。その5年後くらいには、完全自動運転車に乗せてもらうことになるだろう」と思い、EVをいろいろ勉強していました。

当時TESLA モデル3の予約が始まっていましたが、いつ納車されるのかわからず、10月に400㎞走った中古の日産リーフ(ZE-1)を購入しました。中古ですので4年分の給電カードが付いています。無音・無振動の自動車は、まったく想像を絶する代物でした。

私に衝撃が走りました。もうガソリン車には絶対戻れないと感じました。1870年に初めてガソリン自動車ができてから150年が経過していますが、電気自動車に大きく変わっていく時代に私がいることが幸せでなりません。

私の父はとても車好きで、車検前には必ず車を買い替えていました。父の口癖は「もっと静かな車はないのか?」「もっと排気ガス臭くない車はないのか?」「もっと乗り心地の良い車はないのか?」でした。タイヤの空気圧を弱めにして乗り心地を重要視して、ずいぶん昔のTO●●TA CRO●NのCMでダッシュボードに置いたコーヒーに小さな波紋が写るシーンを観て感動していました。

残念ながら7年前に他界してしまいましたが、父の希望に限りなく近い車がこの日産リーフです。私が運転している姿をいつもすぐ近くで羨んでいる父の顔が想像できます。

62歳の私には難しいことはわかりませんが、無音・無振動の乗り心地とアクセルのクイックレスポンスは、誰でもすぐに気がつくはずです。現在ベイルート在住の元日産社長のカルロス・ゴーン氏が音頭を取って電気自動車開発を指揮したことに感謝の限りです。TESLAもi3もない時期にいち早く開発して世に送り出した日産は素晴らしい企業です。

「日本の自動車産業を下支えする400万の企業を路頭に迷わすわけにはいかない」と豪語するTO●●TA社の言い分もわかりますが、守っているだけでは取り残されてしまう危機感を私ですら感じています。今が良いだけで、10年後の2030年には世界中のEVメーカーによってTO●●TA社のシェアは拭き飛んでいるかもしれません。さらにTO●●TA社が広告主であるマスコミがこぞって「EV叩き」をしている現状も「ガラパゴス化」しています。

昨年末、ドイツで最も権威のある自動車賞のひとつ「ゴールデンステアリングホイール賞」を受賞したのは、外国車のTESLA モデル3でした。”頑張れ、日本車”です。

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