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2008年06月21日 00:13

石井昌道 「もっと運転していたかった。」

ドライバーの石井昌道です。

無事に2日間の役割を終え、今帰京。

予想された雨にも見舞われず、本当に感動のドライビングを堪能できました。
EVへの試乗経験は比較的多いほうだと自負していますが、やはりロングドライブで得
るものは違う。また、俄に現実味を増してきたEV普及にむけて、旅先で出会う人達の
熱い期待に触れたことが、ボクの心に染みたのかもしれません。

1日目の行程は、この旅のなかで最も厳しいと言われていました。距離が長く、登り区
間が多い。また都市部の渋滞も予想される。とくに宇都宮から西那須野の最終区間は
距離こそ43kmとソコソコなものの、標高差が150mもあってどれぐらい電力消費が悪化
するのか想像できません。
ボクが担当したR1eは電池容量が少なめなので、同乗したスバルの鈴木さんも「少し気
を使って運転してもらえると......」と、やや弱気な発言をされていました。

ところが、ボクはそれほど心配していませんでした。宇都宮まで運転するなかで、
R1eから「限られた電気を効率良く使い、賢く航続距離を伸ばそう」という意志をはっ
きりと感じたからです。
具体的には、少しマニアックな話になりますが、回生をギリギリまでとっていく操作
ができるのです。
とくに回生が強く効くBレンジでは全閉にするとけっこうな減速Gが発生しますが、戻
しきらないようにすればそれなりの減速と回生になります。つまり、交通状況に合わ
せて回生の強弱を右足で調整できるということ。そういった運転をキチンと受け付け
るアクセルにもなっています。最近はアクセルにダイレクト感がなく、ドライバーの
意志がクルマの動きに反映されないクルマも見受けられますが、R1eのなんと素直なこ
と!! それを駆使し、ちゃんと交通の流れに乗りながら電力消費を抑える運転は快感
でさえありました。EVならではの、ニュー・エコドライビング・エクスタシーです。
おかげで、登り区間もなんのその。たっぷりと電気を残し、余裕で難関を突破してし
まったのでした。

一方、2日目に乗ったiMiEVは「出来すぎ!」と、これまた感動させられました。
ガソリンエンジンでは12気筒でも達成できないような滑らかな加速感、軽いアクセル
ワークでスーッと車速を伸ばしていける圧倒的なトルク。今回はラクな行程でもあっ
たので、それなりに加速感を楽しんだりもしたのですが(もちろん安全運転ですがね)、
後続のカメラカーから「登り坂の加速でおいつけない!」とクレームが入るぐらいでし
た。
余裕で運転していても十分に速いことに、停止中も走行中も静寂に包まれた独特の世
界が加わるので、考えようによっては、究極の高級車と言えましょう。ちなみに乗り
心地も抜群で、ガソリン車のiよりいいぐらいです。
さらに、未来感たっぷりのスタイリングが、エココンシャスでスマートなiMiEVにピッ
タリ。それが無音でスイスイ走るのですから、道行く人も目を白黒させていました。
何かこう、単なるエコカーという以上のキャラクターをiMiEVには感じます。EV本格普
及の斬り込み隊長として、これほど相応しいクルマもありません。

いやしかし、もっと運転していたかった。
EVは一度体験すると虜になる魅力に溢れています。
価格や実用性などを懸念する声もありますが、旅先で出会った人達もEVに実際に見て
触れると、みんな目がハートマークになっているのでした。
発売まであと約1年。一気にアイドルになる予感、です。