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第2回 「ハイブリッドカーを知る」 

第2回 「ハイブリッドカーを知る」 開催レポート

2008年7月19日(土)

講義:ハイブリッド車の原理と構造 講師:トヨタ自動車 朝倉吉隆氏
実技:ハイブリッドバギーの原理と構造を模型で知る


2008_07_19 009.jpg 第2回目のHEV教室は、ハイブリッドの仕組みや役割を勉強しました。
講師は、トヨタ自動車でハイブリッド車の開発をしている、朝倉吉隆さんです。
講義では、地球温暖化と自動車との関係、自動車の歴史の中でのハイブリッド車や電気自動車、そしてハイブリッド車の仕組みと役割について解説しました。
温暖化は、HEV教室の中では何度もでてきた話題です。クルマから排される二酸化炭素を原因とするもので、洞爺湖サミットでの主要議題になりました。

朝倉さんは、日本には温暖化を防ぐ技術がいっぱいあると言います。たとえば太陽光発電や燃料電池などです。
でも、もっと高度に、もっと普及させるためには、もっと技術開発をしていかないといけません。
また、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会だった20世紀に対し、今後は「モッタイナイ」という意識を働かせ、資源を大切にしていくことが重要になると、朝倉さんはいいました。

続いては自動車とハイブリッド車の歴史について。
実はハイブリッド車は、今から100年以上前に走っていたそうです。 たとえばスポーツカーのポルシェを発明したポルシェ博士は、100年以上前にハイブリッド車を走らせています。アメリカには、ウッズ社という会社がハイブリッド車を製造してたそうです。

ガソリン車が増えたのは、スターターというエンジン始動装置が発明された後のことで、それまではエンジンを始動するのは大変な作業なので、ガソリン車はあまり人気がありませんでした。
ガソリン車が電気自動車や蒸気自動車より多くなったのは、20世紀初頭のことです。それと同時に、ガソリンスタンドも増えていきました。 けれども、100年前のハイブリッドは、1+1が2以上にはならないものでした。エンジンと電気のそれぞれが足りない部分を補完していただけなので、あわせても2でした。 現代のハイブリッドは、回生ブレーキや、エンジンの動作効率を向上させたことなどにより、1+1が3以上にもなるそうです。

ハイブリッドとは、ひとことでいうと、2つの異なったエネルギー貯蔵装置と、2つの異なったエネルギー変換装置を持ったクルマです。決まったエネルギー量を、どれだけ効率よく使うかを考えながら走っている車です。
朝倉さんはハイブリッドについて「やりくり上手のお母さん」と例えました。
石油が高くなってることもあり、やりくり上手のお母さんが求められているのは確かでしょう。


2008_07_19 044.jpg 朝倉さんの講義に続けて、舘内端・日本EVクラブ代表のハイブリッド解説、トヨタ自動車整備大学校の森先生の「デファレンシャルギア解説」がありました。
技術解説は大人でも理解するのは簡単ではありませんが、デファレンシャルギアの模型に夢中になっている子供も多く、まずはワンステップを登ったのかもしれません。

続いては、舘内代表曰く「ゴムヒモゲーム」。ハイブリッド車に必要なシステム、エンジン、動力分割機構、モーター、バッテリー、コントローラー、タイヤ×2、発電機、ドライバーの9つの要素を、ゴムヒモでつなぎ合わせます。

これがけっこう複雑で、容易にはできません。コントローラーなどは5つのパーツとつながっています。
2チームに分かれて、つなぐスピードを競争しました。子どもたちの目が、ちょっと真剣味を増していました。
「下におけよ」「それはどうなってるの?」「モーター、何本もってるの?」と侃々諤々しながらも、やってみると、思ったより早い時間でシステム構成を完成させていました。なかなか優秀です。

競争では、最初にチャレンジしたA、Bチームが、先行の不利があるとして再チャレンジを要請。さらに再チャレンジを繰り返しましたが、勝ったのはC、Dチームでした。
それにしても、複雑な仕組みでも、こうしてゲーム形式にすると中学生は簡単に解答を見つけ出してしまうのが驚きでした。まあ、大人よりアタマが柔らかいということのようです。

最後に、実車でHEVシステムを確認しました。
クルマは、初代の中学生HEV教室で製作した「世田谷1号」です。
やはりホンモノがあると雰囲気が違います。目が違います。
加えて、朝倉さんにバイオ燃料について、どんなものなのか、これからどうなるのかなど質問している子供もいました。メディアが取り上げることも多い話題であり、自分たちのこととして興味を持っている子供もいることがわかりました。
クルマに関わるすべての人が、こうした疑問に答える準備をしなければならな時代が来ているのかもしれません。

リポート: 木野龍逸

 

 

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