ビリビリレポート・・・元気な日本EVクラブ。今月は「第3期EV手作り教室」をご紹介!
 

第1期ではユーノス・ロードスター、第2期では三菱ランサーをEVにコンバートしてきた日本EVクラブの「手作り教室」。コンバートとは、元車両となるガソリン自動車のエンジンを外し、モーターやバッテリーを搭載。電気自動車として生まれ変わらせる作業です。
「EV手作り教室」はシロウトの集まりであるEVクラブのみんなの力で、自分たちのEVを作ろうという試みです。

 

第3期EV手作り教室は、東京・品川区の三菱自動車テクノサービス本社工場を主な会場として今年の1月25日から合計で計9回の講義や実技教室を続けてきました。今回の教室には全国から29名が参加。三菱・パジェロミニを電気自動車にコンバートしています。66月14日の最終回は、神奈川・大磯プリンスホテルを会場にして、卒業式と試乗会、さらに日本EVクラブ総会をも合わせた大イベントが開催されます。

 

 
 

今回の手作り教室には全国から29名が参加!

教室の受講生募集が行われたのは去年の12月。雑誌などの協力による告知を通じて、定員の25名を超える受講希望者が集まりました。
晴れて教室の受講生となった29名のみなさんは、暮れも押し迫る忙しい中、「ミニ論文」まで課されたきびしい選考を生き残った精鋭たちです。
年齢は21才から54才と幅広く、うち1人は女性です。EV作りというと「ディープな趣味の世界」と感じる人もいるかと思いますが、受講生のプロフィールは学生、大学の先生、食品関係、主婦、農園経営などなどバラエティ豊か。21世紀のクルマを真剣に考える人が着実に増えていることを実感しました。 受講生の多くは、関東近隣在住者ですが、なかには毎回飛行機を使って大阪や石川県から飛んでくる人さえいます。受講生のみなさんのEVに対する好奇心には、スタッフさえも圧倒されるほどなのでした。

 

 

 

 

 

 

 

第3期EV手作り教室・カリキュラム概要

第1回(1998年1月25日)テーマ/EVとの出会い
「環境概論」「EV概論」などの講義とEVミゼット・の試乗などが行われた。

第2回(1998年2月8日)テーマ/エンジンとの別れ
パジェロミニのエンジン取り外しの作業など。

第3回(1998年2月22日)テーマ/EVを知る
「自動車工学概論」や「省燃費タイヤ理論」「充電器理論」などを学ぶ座学。

第4回(1998年3月15日)テーマ/高性能バッテリー搭載へ
使用するバッテリーは最先端のニッケル水素バッテリー。教室ではバッテリーを入れるケースを自作した。

第5回(1998年3月22日)テーマ/未来へのシナリオ-21世紀へ生き残るために-
大磯プリンスホテルを会場にしたオープンフォーラム。一般参加者もEV試乗を楽しんだ。

第6回(1998年4月5日)テーマ/新しいシステムへ
いよいよモーターやコントローラーといったEVの心臓部を搭載!

第7回(1998年4月19日)テーマ/EVと自分をつなぐ
バッテリーの配線など。かなりデリケートな作業が続く。

第8回(1998年5月17日)テーマ/EV新生活を考える
完成に向けて急ピッチの作業が進む!

第9回(1998年6月14日)テーマ/「自立」への旅立ち
大磯プリンスホテルでの卒業式と試乗会。どうなることやら。

 

 

もうすぐパジェロミニEVが初走行!

EV手作り教室では、EVや環境を考えるさまざまな講義と、実際にパジェロミニをEVにするための実技をおりまぜて進められます。
テーマ別に全9回の教室が開かれ、いろいろな分野の大学教授、自動車メーカーや電機メーカーの研究者など、そうそうたる顔ぶれの講師陣が招かれました。こうした講義の中では、EVの話はもちろんとして、自動車をとりまく問題、さらには現代社会が抱える数多くの問題を学びました。
実技の内容は・・・詳しく書くと専門書のようになってしまうので割愛しますが、おおまかにいって、パジェロミニからエンジンや燃料タンクなどの要らない部品を外して、専用部品の製作をして、モーターやほかのパーツを組み込んでいきます。これらの作業は、29名で分担して行なっていったので、一人分の作業量は決して多くはありません。それでも作業の待ち時間には生徒同士でのEV談義に花を咲かせたりして、参加者たちは積極的に「自分のEV作り」に取り組みました。
6月14日。大磯プリンスホテルで初走行となるパジェロミニEV。はたしてどんな乗り心地なのか。
その様子は次回の更新時にレポートします。お楽しみに!


 

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Japan Electric Vehicle Club
最終更新日: 1998年6月25日