JEVC rally2016 | 充電&EVドライブ案内
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充電&EVドライブ案内

このページでは『Japan EV Rally 2016』参加者へのお願いとメッセージ、また、レンタカーのEVなどを利用して参加するEVドライブに不慣れな方へのアドバイスなどをご案内します。

事前に充電プランを立てましょう

出発地から長野県白馬村の Hakuba47、あるいは岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷(チェックポイント)まで、事前に必ず充電プランを立ててください。充電スポットの検索には、『GoGoEV』(事前にPCで検索するのにオススメ)や『EV スマート』(とても使いやすいスマホアプリ)が便利です。また『日本充電サービス』のサイトでも、充電スポットが紹介されています。

急速充電には認証が必要なケースがほとんどです

急速充電スポットを利用する際は、日本充電サービス(NCS)をはじめとする会員カードによる認証が必要なケースがほとんどです。登録していない場合、充電スポットの案内に従って指定のセンターに電話するなどしてビジター登録を行い、充電器を利用することができます。ご自身がEVオーナーの方はご存じでしょうが、レンタカーなどで参加する方は、事前に利用予定の充電器利用方法を確認しておくことをおすすめします。

え? 面倒臭い? はい、そうなんです。まだまだEV社会は発展途上。誰もが使いやすく、便利な充電サービスの仕組みが整っていくように、あなたのご意見をお聞かせください!

電池残量に余裕をもって到着しましょう

場合によっては白馬や奥飛騨では充電しなくても翌日のスタートができるよう、できるだけ電池残量には余裕のある状態で到着するように計画してください。

また、白馬や奥飛騨温泉郷には普通充電できる設備を備えた宿が増えています。宿泊先と相談して、宿泊時に普通充電できるよう手配しておくことをおすすめします。白馬のゴール地点となる Hakuba47 にも急速充電設備の設置を計画しています。

きっと、充電スポットが混雑します

東京や名古屋方面から白馬や奥飛騨へ向かうルート上、とくに高速道路SAなどの急速充電スポットは、ラリー当日、それなりに混雑することも予想できます。ある程度の充電待ちは予め想定して、余裕のある旅程を立ててスタートしてください。

急速充電は30分?

急速充電の所要時間は、一般的に「約80%まで充電するのに30分」といわれています。ただ、急速充電では充電開始直後は多くの電流が流れるものの、満充電に近付くに従って充電スピードが緩やかになる傾向があります。また、走行距離に余裕をもった充電計画を立てておけば、80%以上にまで充電せずとも次の急速充電器まで走ることができるでしょう。とくに、急速充電器に充電待ちのクルマが並ぶようなケースでは、充電時間は15分間程度を目安にするのがよいのではないでしょうか。

EV社会への「提言」求む!

今後、市販EVのバリエーションはますます増えて、本格的にEVが普及していくでしょう。もちろん、社会インフラの整備は重要ですが、EVはエンジン車とは別の乗り物という側面があります。たとえば急速充電器を、今までのガソリンスタンドのように「サービスを受ける場所」と考えるのは無理があります。

個人的な見解ですが、EVを上手に活用するためには、ましてロングドライブを楽しむには、ユーザー各自の「主体性」が重要です。EV社会は、ユーザーみんなで快適にしていかなければいけない、のだと思います。

今回のEVラリーは、たくさんのEVが一斉に白馬を目指すことに意義があります。アーリーアダプターとして長くEVに乗っているユーザーの方にとっても、貴重な体験となるのです。ラリー終了後には、参加者のみなさんからのご意見や提言、感想などをまとめて(今年こそ!)、カーメーカーや行政に、そして広く社会に届けたいと思っています。

EVラリー参加者は、EV社会の先駆者です。ぜひ、たくさんの「提言」をお寄せください。

 

電気自動車ロングドライブに不慣れな方へ

あまりEVに乗ったことがない方は、EVでのロングドライブが不安かも知れません。市販EVのオーナーさんの中にも、あまり遠出はしたことがない、という方もいるでしょう。ここでは、そうした方のために、EVでのロングドライブについての基本的なアドバイスを挙げておきます。

充電方法を確認しましょう

レンタルしたEVで白馬に向かう参加者には、急速充電なんてしたことがないという方も多いでしょう。充電口の位置や開け方、普通充電用ケーブルの収納場所や使い方、急速充電器の使い方など。あらかじめきちんと確認しておきましょう。できれば、旅立つ前に一度、自分で急速充電してみることをおすすめします。

電池残量について

ほとんどの市販EVのインパネに表示される「走行可能距離」は、満充電でスタートしても、高速道路を数十分も走れば100kmを下回ります。(テスラモデルSなど、そうではないEVもありますが……)エンジン車と単純に比較すると「常にエンプティランプが点灯状態」ともいえます。

だからといって、電池残量や走行可能距離を気にしすぎるとドライブが楽しめません。次の充電予定スポットまでの距離を把握して、むしろ、電池が減っていくのを楽しんでしまうのがおすすめです。エアコンを切るとこのくらい変わるのか。上り坂ではこんなに電池を消耗するんだな。お、下り坂で電池残量が増えた! などなど。電池はいろんなことを教えてくれます。

高速道路走行について

高速道路を走行する際には、一充電の航続可能距離をカタログスペックの半分程度で考えておきましょう。たとえばカタログスペックが228kmの日産リーフであれば、110km程度を限度としてドライブ&充電計画を立てていきます。空気抵抗は速度の2乗に比例して増大します。つまり、スピードを出せば出すほど、同じ電池容量で走れる距離は短くなるということです。高速道路では、法定速度で滑らかに巡航することが、航続距離を伸ばす意味でも有効です。

上り坂について

上り坂では、EVは激しく電気を消費します。
エンジン車ではあまり気にすることのなかった高速道路の上り坂でも、EVで走るとみるみる電池残量計の目盛りが減っていくのにあわててしまうことがあるかも知れません。でも、日本の道で50kmも60kmも、ずっと上りっぱなしという場所はほとんどありません。上りがあれば、必ず下りがある、といっていいでしょう。起伏のあるルートでも、結局は距離相応の電池消費量で走りきれることが多いと心得ておきましょう。

とはいえこのルートは不安、という場合には、『ルートラボ』(外部リンク)というサイトで、入力したルートの高低差などを確認することができます。

上り坂での電池消費量を知る目安として、私のブログで2012年にi-MiEVでヒルクライムを試してみた時の記事にリンクを貼っておきます。1回こっきりの非公式な走行データですが、ご参考までに。

EVで名古屋や富山方面から奥飛騨を目指す方へ

名古屋方面から岐阜県高山市を目指して走る場合、東海北陸自動車道を利用する方が多いはず。途中、長良川SAと、ひるがの高原SAに急速充電器が設置されていますが、この区間は登りがハード。ひるがの高原SAは標高約850mで日本一標高が高いところにあるサービスエリア。さらに、ひるがの高原SAの約19km先にある松の木峠PA付近は標高1,085mで、高速道路の日本最高地点です。

長良川SAからひるがの高原SAまでは約62kmですが、2016年5月の視察時、名古屋で借りたレンタカーのリーフで走ってみると、ひるがの高原に到着した時には残り航続距離が数キロしかない状態になってしまいました。

レンタカーは初期型リーフで、電池残量計が2セグ欠けている状態だったこともあるでしょうが、長良川SAでは90%近く充電し、スタートしてすぐに登りの険しさを感じてエコモードの電池節約運転をしたにもかかわらず、ほんとにギリギリでした。

参考までに、東海北陸自動車道、愛知県側の一宮ジャンクションから富山県側の小矢部砺波ジャンクションまでの標高差をルートラボで表示してみた図がこれです。

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「日本の道で50kmも60kmも登り続ける場所はほとんどない」と書きましたが、よりによってここがそうです。しかも、長良川SAからひるがの高原SAまでの標高差はおよそ800m。過酷です。不安な方は、無理せずに郡上八幡あたりで高速を出て、途中の道の駅などで充電することをオススメします。高速道路上で電池切れといった事態に陥らぬようくれぐれもご注意ください。

また、富山方面から東海北陸自動車道を走る場合も、長い登りが続きます。最高地点へ至る手前に高山市、奥飛騨温泉郷への出口があることと、標高差の中間地点に急速充電器がある飛騨白川PAが位置しているので名古屋方面からのルートよりはましですが、油断は禁物。一般道ルートの急速充電器設置場所と利用可能時間などを確認して、ルートプランを立てておきましょう。

実は簡単なことで、快適

いろいろと書きましたが、大切なのはただ一点。EVでロングドライブする時には、自分が乗っているのはEVなんだと意識することです。エンジン車のつもりで走るから、一充電の航続距離を不満に感じたり、充電時間を面倒だと感じるのです。

そんなことはEVだから当たり前。走行可能距離をエンジン車よりも正確に知ることができるEVならではの「特長」をいかし、次の急速充電スポットまでの距離を把握して、電池残量と時間に余裕をもって走れば、何も恐れることはありません。むしろ、ゆったりと静か、でも加速はスムーズなEVでのドライブが、とても快適で疲れも少ない(急速充電はドライバーの休息にもなります)ことに気付くでしょう。

きっと、EVでのロングドライブには、いろいろな発見があるはずです。
楽しみながら、気をつけてEVラリーにご参加ください!


文責/寄本好則(日本EVクラブホームページ編集長)
※2013年にEVスーパーセブンで急速充電(161回)しながら日本を1周(8160km)した実力派EV乗り。
著書(kindle本)に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け 電気自動車社会への基礎知識』などがある。