by 佐藤啓宏

 エコタイヤ・グランプリですっかりおなじみになった『ころころEco太郎』号ですが、実はここだけの話、今年は”走る”はずだったんです。

 ECO太郎も今年の8月30日で満1歳を迎え、 足にバネ(サスペンション)がつき、
おなかも太ってバッテリーが載り、 お尻にはおませさんにもSEXYなモーターが二つも載り、 体はとても立派に成長したのですが、 血管と神経(電気配線)の成長が間に合いませんでした。

 フェスティバル前夜。9月4日夜、神奈川県内某所(バレバレですね)での話です。
  体が成長し脱皮(改造&改良)を終え、たった今ペンキが乾いてピッカピカになった裸のECO太郎がいました。ECO太郎、全身色を塗りなおされていたのです。 実は、昨年と色も模様もだいぶ違うのですが、誰か気づかれた方います?

 PM10:00。さて、それからです。すべての電気配線の製作が始まったのは。
 配線担当の僕はとくにあせることもなく花歌気分で、ふんふんと配線製作を続けていきました。 どうせ電圧48Vだし、ERKとおなじ配線だし、などと思い、気楽な気分で調子にのってサクサクと造りつづけていきました。

 日付がとっくに変わってAM3:30。 とりあえず配線が完成したので、テスターであちこち導通チェック&配線確認。
「よし、問題ない!じゃぁ、いってみよ!」
ということで、
バッテリーの−端子に配線をつなごうとした瞬間。
壮大な青い火花と絶望的なブチー!というでかい音!
 どこかがショートしていたのです。
貴重なOPTIMAブルーTOP(バッテリー)のマイナス端子を半分吹き飛ばしてしまいました。 (どなたか、伝説の秘技『バッテリー端子のハンダ盛り』を習得してる方、助けてください!)
 信じられない出来事に、頭の中は、
「?????????????????????なんでー?どうして−?!」という感じ。

配線を再度チェック。
「おかしい、合ってるはずだ、書いた回路図がまずいのかも、じゃ説明書どおりにつなぎなおしてやってみよう。」
しかし、コンタクタは動かず。
「なんでー?」「どうしてー?」

押しかかるプレッシャーとあせり。迫り来る時間。しかし、原因はわからない。

で、結局駄目!でした。AM8:30TIMEUP。無念。

 後日調べてわかった原因は、コンタクタのフリーホイールダイオード(注)の耐圧不足でした。耐圧が足らなくて、バッテリーをつないだ瞬間に”ショート”方向に壊れてたんです。ダイオードなんか壊れるとしても、”オープン”の方向に壊れてくれるだろ、と我ながら勝手に思い込んでたふしがあります。だいたいフリーホイールダイオードなんて、付けなくてもコンタクタは動作するのです。
 そもそも、バッテリーのショートサーキットを作りうるところにヒューズを入れていないというのが駄目ですよね。そのときは、考えが及びもしませんでした。

 ECO太郎の走る勇姿が見たかったという方々には、ほんとにごめんなさい。余計なことをした僕が悪いんです。いつもこんなことばっかりやっているような気がするなー。電気屋、失格です。反省。

 しかしながらそれを考えると、エントラントの皆さんの”すごさ”がよくわかりますね。 製作スケジュールは、みなさんきっと似たようなものですもんね。
 シェイクダウンはイベント当日の朝、なんていうクルマが日本EVクラブの中では、ざらにいますもんね。
 みんな、すごいなぁ、ほんとにすごい。何のミスもなく、あのプレッシャーに負けず、しかも立派に一時間走れるクルマを造ってきちゃうんですもんね。
 自分でやってみて初めて、みなさんのそのすごさを実感したというかんじです。いやこのようなタイムスケジュールで造ることは決してお勧めしないんですが、でも本当にすごいです。


 来年のフェスティバルでは、ちゃんと走るECO太郎の姿が見られると思います。期待して待っててください。
 それではみなさん、コンタクタのフリーホイールダイオードの耐電圧と、トリップ状態での配線作業には十分注意してEVを手作りしてください。来年、楽しみにしています。


(注)フリーホイールダイオード
 コンタクタのコイルに生じる逆起電力対策のために入れるダイオード。