i3ドライブ日記【EVラリースタッフ編】

週末、400kmを徹底試乗!

堤 健一(日本EVクラブ)

クラブからi3をお借りして、週末を利用して約400km走って来たので、その様子を報告したいと思います。

まずは初日。この日は御殿場まで日帰り走行の予定。前日お借りしたクルマを自宅の200Vコンセントでフル充電して、その日の走行に備えます。そこで、一回目の困りごとに遭遇。

i3はフロントフード内に200V充電口があるため、充電の際はコードが外からフード内に引き込まれることになり、ボンネットフード自体はいわば半開き状態でロックされます。よって、充電が終わってコードを抜きたいときは、ロックを解除してフードを開けなければならないのですが、これが開かない! 何度試しても開かない。困り果てて自分のクルマで移動をする準備をしていたところ、一緒に出かけようとしていた息子が、「おやじ、開いたよ!」って。ん、どうやったのだ??

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聞くと、ツイッターを検索 してみたら解決方法が投稿されていて、その通りにやったら開いたのだそう。即ちリモコンで、フロントフードのオープンとロックを交互に何回か繰り返せば良いとのことで、4〜5回やったら開いちゃったらしい。恐るべしツイッター。というより、そこに解決策を求めること自体、おやぢには思いも付かない。

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そんなどたばたでスタートした御殿場行き。片道100キロ弱の行程です。EV走行可能距離117キロからのスタートです。基本は電気で走り続けようとするはずなので、エンジンはかかりません。最近はすっかりへたれなので、エアコンは19℃設定で風量最弱。ほぼ片道を少し過ぎたくらいでエンジンがかかり始めました。

EV走行の感覚は、アクセルオフ時の強い回生に慣れれば快適そのもの。メーターを見ていると時速1kmまでしっかり回生しています。交差点などでは全くブレーキペダルを踏まなくても停止が可能です。クリープが無い設定なので、微速走行時のギクシャク感が無く、非常にスムーズです。今回は渋滞にはまることは無かったのですが、そんな時もストレス無く走れるでしょう。

また、登り勾配状態での信号停止でも、ブレーキやサイドブレーキを使わずに車を止めてくれます。感覚的には時速がゼロ表示になり、次にモーターが逆回転し始めた瞬間に電磁的あるいは機械的にブレーキをかけて止めています。その状態でセレクタをNに入れると、たちまち後ろ向きに転がり始めるので、何らかの方法で止めていますね。そこからのスタートも秀逸で、何事も無かったようにスッと前進をはじめます。お見事です。

東名高速を大井松田で降りて246に乗り換え、高速ワインディングを楽しみます。御殿場の手前で、150Rくらいのカーブが連続する区間がありますが、とても安定した走りで全く不安を覚えません。BMWのクルマであることを思えばあたり前ですが、EVに共通する「低重心」が寄与していることは間違いありません。また、コーナリング中にわざとアクセルを抜いても、(強い回生がかかるにも拘らず)リアの挙動が不安定になることも無くどっしり安定しています。このあたりは濡れた路面でもう一度試してみたいところです。

さて、帰り道。電池が6% 表示くらいになったところでエンジンが回り始めます。レンジエクステンダー付きi3は過去に一度乗ったことはありますが、こんなにエンジンの音がはっきり聞こえたっけか? 個体差はあって然りですが、あまりに大きい。でも、エンジンが控えていることの絶大な安心感は大きいですね。余裕で東京まで戻りました。

高速走行で気づいたことがもう一つ。クルーズコントロールを入れて、設定速度以下で走る前車に追いついてからの制御についてです。特にその状態で登り勾配だと、加速と減速を繰り返して前車との車間距離が一定しません。また、加減速を繰り返すので気持ちが悪くなります。このあたりは改善の余地ありと思いました。

さて、翌日は前日の走行のまま、充電はせずに東京から千葉県市原市までの往復を試みます。片道80-90キロくらい。出発時はガソリン側の残り走行可能距離が70キロだったので、途中で電気かガソリンのどちらかを補給しなければなりません。往きは電気を補充。時間が無かったので10分ほどの急速充電で目的地にたどり着く分+αを充電。目的地到着時は、ガソリンでの残り走行距離表示が14kmでした。

用件を済ませて帰ろうとStartボタンを押すと、すぐさまエンジンがかかり走行準備モードに。走行が可能となりました表示が出て、メーターを見ると、残り10km表示に。まあ、10キロ走れればガソリンスタンドにはたどり着けるだろうと走り出すと、1キロも走らないうちに残り2km表示になってしまい、緊急停止! 幸いまだサーキットに残っていた友人にガソリン2リットルを買ってきてもらい、給油。事なきを得ました。

給油口は右前部にあります。

給油口は右前部にあります。

日常的に使っていて、このあたりの特性を熟知していれば、こんなことにはならないのでしょうが、知らないが故のトラブルでした。

ということで約400km走っての印象は、第一にEVとしての完成度の高さです。後部座席で過ごす時間はありませんでしたが、運転者としての印象はすこぶる良いです。後輪駆動ゆえのハンドリングの素直さ。パワーは充分で、「ECO Pro」モードを選べばジェントルな走りを省エネルギーで楽しめます。「Comfort」モードを選べば、ガツンと加速 を楽しめます。

また、レンジエクステンダー装備により絶大な安心感があることも実感しました。いざとなれば、電気とガソリンのどちらか手に入りやすいエネルギーを補給すれば良いということも、偶然ですがわかったことです。更に言えば、色々な性状の液体燃料が使えたらもっと便利でエコになりますね。説明書にはアルコール10%含有のE10燃料までは使えると書かれていました。

ようやく選択肢が増え始めた電動車両。まだまだこれからバリエーションが増えて、色々なタイプが出てくるものと思われます。用途や地域に合わせて、ユーザー側も賢い選択をする必要がありますね。今回はそんなことを思った試乗でした。

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