BMW i3「未体験の悲壮なエンジン音と大事なこと」

i3_1928

奥田 龍(日本EVクラブ)


昨年、「白馬EVラリー」に向かうためBMWからi3レンジエクステンダー付きの広報車をお借りしました。

054okuda_1581

BMW広報室がある東京駅から、同乗するEVクラブのK氏宅に向かいます。そもそも出発時間が遅れていたこともあり、「首都高速に乗らねば…」と高速入口付近で「は!」とETCカードを入れていなかったことに気がつきました。「危ない危ない、気がついて良かったなぁ」とカードを財布から取り出して… あれ? ないじゃん? どこ?…。ETC車載器が見当たらないのです。

最初に確認しとけよ、っていう話なんですが経験上、大抵わかるじゃないですか。誰に電話したかはっきり覚えていませんが、自動車ジャーナリスト含め数名電話しましたが、誰も「覚えてないなぁ」の答え。一般的に新車の試乗会等では、最初からETCカードは挿入されているケースがほとんどですのであんまり気にしない、ということかもしれません。最後はBMWにお聞きしてようやく解決しましたけど。

あそこにあるとはねぇ……。

さて、その後はK氏をピックアップして、関越自動車道を快調に走行。一度SAで充電をしつつ、やっぱり、電気自動車の加速は気持ちいいわぁ~とか、呑気な会話を交わしながら、さらに「けっこうまだ電池残ってるよね、軽井沢まで行けそうだよね~」とか、お気楽三昧。どこかでレンジエクステンダーで発電、という頭もあったんですけどね。

ちょうど軽井沢インターを降りたあたりでほぼ電池残量がゼロになり、レンジエクステンダーが完全始動しました。

インターから無料急速充電器がある軽井沢町役場までは相当な上り坂です。ここからが悲劇でした。レンジエクステンダー付きとはいえ、電池がほぼない状態での走行は危険なくらいパワーが出ません。そのときドライブしていたK氏は「前に進まないくらい遅い…」と。「あとちょっとだからがんばって」と、発電するために一生懸命ガンガンに回る小さなエンジン。通常、気にならないくらいのエンジン音のハズだが、このときはやけに大きな音のような気がしたのである……。

レンジエクステンダーを使う前提での長距離ドライブの場合は、電池残量をきちんと固定して、エンジンを回す、ということですね。ま、考えてみれば当然なのですが。

先日、EVクラブがBMWからお借りしているi3で 中学生「次世代車教室 電動三輪車E3 をつくろう!」のお手伝いに八王子にあるトヨタ自動車大学校まで行ってまいりました。

僕の担当はトヨタの次世代燃料電池車「MIRAI」の試乗会です。

中学生たちは「MIRAI」に同乗するといろいろな質問をしてきます。「これいくらですか?」「水素タンクは爆発しないんですか?」「音がしない!」等々。出来る限り丁寧にお答えしたつもりですが、いちばん納得してくれるのは「これも電気自動車の一種だよ。発電に水素を使ってるだけ」というと「そっかー」となります。

電気自動車に乗るのが初めてだった子も多かったので、新鮮な驚きはあったようです。ちょうど、試乗の発着場所付近に駐車していたi3を見て「あれ、電気自動車? かっこいい~」と試乗した中学生の数人がMIRAIをそっちのけでi3に集まります。それなりにクルマに興味があるので「これビーエムじゃん!」とエンブレムとデザインを語りだす子もいました。

僕が最初に試乗したEVは、いまはなき「USエレクトリカー」のコンバージョンEV。20年以上昔の話です。EVに初めて乗ったときに、ガソリンまみれの自分の感覚からなにかが崩れていったことを痛烈に覚えています。基本はあまり変わっていないのがEVですが、もはやEVは完全にメジャーな乗り物になりました。ましてやBMWが本気で専用設計したi3というクルマは、ドイツ車の重厚な乗り味とEVを融合した傑作です。

そして、けがれなき中学生が素直に、「カッコいい!」と興味を示します。
ここは結構大事なことですよね。

いまの航続距離、i3の場合は電池のみだと約120km超です。通常の使い方でレンジエクステンダーを始動することはほとんどありません。さらに今後はバッテリーの進化ですぐに航続距離は伸びます。もし、充電が必要な場合も、かなり環境は整ってきており、ほとんど不安はありません。もうEVは「普通のクルマ」になったのです。

i3_1928

写真は、八王子に向かう中央高速道路の石川PAの朝、i3の充電を早々に切り上げ、後からきたリーフの夫婦に「どうぞ」といってコネクターを渡した後の様子です。「どうも、助かります!」と笑顔を返されました。人間として互いに気を使うことは大事ですよね。

めちゃくちゃ気分良かったなぁ。

Next Article『JAPAN EV RALLY 2016』申込受付開始!