完成目前! 急速充電対応EVジムニー

パートタイム四駆なので、3輪が接地していれば前進できる。車体が傾斜に強いのも、クロカンにおけるEVのアドバンテージだ。

京都支部(ZEVEX)/鈴木 一史

現存最古のEVジムニー「SJ2001号」は、1999年に製作を開始し谷田部時代の日本EVフェスティバルにも出場したことがあるチームの記念碑的マシンです。車検を取得したのが2000年12月なので、20世紀生まれのEVジムニー最後の生き残りになります。

今年ZEVEXでは、このSJ2001号をチャデモの急速充電対応仕様にカスタムを開始しました。執筆時点では、車載してあった2器の安定化電源と古いタイプのリチウムイオン電池を車から降ろして、代わりに(株)オズコーポレーションが「開発支援部品」として販売しているシステムを購入し、古川代表のアドバイスをいただきつつマシンに組み上げている最中です。週末しか活動できないので作業はなかなか進まないのですが、この稿が出る頃には完成していると思われます。

2018年に新発売されたJB64/74ジムニーは人気が継続中な様子で、まだまだ納車待ちが長いと聞きます。新型が大人気なのはジムニーマニアとしては嬉しいのですが、せっかくR06Aエンジンを搭載したJB64にS-エネチャージ搭載モデルがないのはとても残念に思いました。モーター駆動は自動車の環境問題を解決するためのコア技術ですから、新型ジムニーも一部だけでもモーター駆動を採用して、SDGsの取り組みが進む時代の中で地球環境問題にコミットして欲しいところでした。

実はとても悲しい現実なのですが、日本の「4×4クロカン車」業界には地球環境問題にコミットした動きがほとんどありません。各部が虚弱なSUVとは一線を画し、大自然の奥深くまで入って行けるマシンなのですから、SDGsでは自動車業界の最先端を走るべきだと思うのですが、現実はBEVどころかハイブリッドさえない状態です。

水が溜まったV字を慎重に進むSJ2001号。この手の繊細な地形を、アクセルワークだけで走破可能なことがEV四駆の特徴だ。

メーカーに先駆けてチャデモに対応した我がEVジムニーは、前後にウインチを装備したパートタイム4WD、そしてカスタマイズした足回りで公認車検を持つ、本格的クロカン4×4EVです。せっかく長距離を走れるようにしたので、今後は四駆マニア・EVマニアの皆様を誘って、各地の林道・廃道ツーリングやキャンプに持ち出す予定ですので、ぜひZEVEXにコンタクトしてください。よろしくお願いいたします。

URL:http://www.ironbarcup.com

大磯プリンスホテル駐車場で開催されたイベント「車育湘南16」で、CJ-5のタイヤへの乗り上げを披露するSJ2001号。

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